Now Loading...

『ロミー・シュナイダー映画祭2024』20世紀最高の女優 ロミー・シュナイダー、多彩な魅力を引き出した3作品が、デジタルリマスターの美しい映像でスクリーンに! 10/18(金)〜11/14(木)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下にて開催

ロミー・シュナイダー映画祭2024
 10/18(金)〜11/14(木)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下にて開催
ロミー・シュナイダー
ロミー・シュナイダー 今回特集される3本の作品を見ることで、ロミー・シュナイダーがその30年近くに亘る女優人生で、ひとつのイメージや役柄、演じ方に留まることなく、リスクを怖れずあらたな試みに挑み続けてきたことをあらためて確認することができるだろう。生き生きと可憐なオーストリア皇妃を演じて世界中に巻き起こした「シシー現象」から、まるで自由を求め続けるシシーのように解き放たれることを望んだロミー。
『最も重要なものは愛』の危うさや脆さと高貴なまでの威厳を併せ持つ女優ナディーヌ、死を前にして人生を果敢に横断してみせる『デス・ウォッチ』の女流作家キャサリン。
ロミーが演じた女性たちは、見終わった後も深く、私たちの心の中に生き続けてゆく。
坂本安美
(アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム主任)
上映作品
プリンセス・シシー
プリンセス・シシー
Sissi
1955年 / オーストリア / ドイツ語 / 102分
監督・脚本:エルンスト・マリシュカ
出演:ロミー・シュナイダー、カールハインツ・ベーム、マグダ・シュナイダー
© 1955 Erma-Filmproduktionsgesellschaft Ernst Marischka & Co.
お転婆娘シシーが、オーストリアの皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と出会い、ヨーロッパ一の美貌と謳われた皇妃エリザベートとなるまでを描いたプリンセス・ストーリー。撮影当初16歳のロミーのチャーミングな魅力満載ながら、後の大女優の片鱗も垣間みえる。宮殿やドレスなど19世紀の宮廷生活を再現した豪華絢爛な世界が圧巻。欧州各地で大ヒットを記録、自由奔放なシシーを演じたロミーは一躍アイドル的女優となった。
最も重要なものは愛
日本劇場初公開
最も重要なものは愛
L'important c'est d'aimer
1975年 / 仏=伊=西独 / フランス語 / 113分 / R18+ ※18歳以上がご覧になれます
監督・脚本:アンジェイ・ズラウスキー
出演:ロミー・シュナイダー、ファビオ・テスティ、ジャック・デュトロン、クラウス・キンスキー
© 1975 STUDIOCANAL - Rizzoli Film (Italie) - TIT Film Produktion (Allemagne) - Tous Droits Réservés
ソフトポルノ映画に出演する女優とその夫、彼女に一目惚れしたカメラマンの三角関係を軸に、『ポゼッション』(81)で知られるポーランドの鬼才ズラウスキーが作り上げた、嵐のように疾走する過激で濃密な愛の傑作ドラマ。撮影中はズラウスキーと何度も衝突したロミーだが、その演技が高く評価され第一回セザール賞主演女優賞を獲得。むき出しの美しさで哀願するロミーをとらえた冒頭から一瞬たりとも目が離せない。
デス・ウォッチ
日本劇場初公開
デス・ウォッチ
Death Watch
1980年 / 仏=西独 / 英語、仏語 / 130分
監督・脚本:ベルトラン・タヴェルニエ
出演:ロミー・シュナイダー、ハーヴェイ・カイテル、ハリー・ディーン・スタントン、マックス・フォン・シドー
© 1980 / STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA - TV 13 Munich avec la participation de la SFP
医療が進み、病死が稀になった近未来。不治の病と診断された人気作家の最期の日々をリアリティ番組「デス・ウォッチ」で放映するため、スタッフの男が隠し撮りを始めるものの、逃亡を共にするうち二人の間に絆が芽生え……。『田舎の日曜日』(84)の名匠タヴェルニエによる異色SF映画。粗末な衣裳をまとい死の影に怯えながらも、決して尊厳を失わないロミーの迫真の演技が胸に迫る。本作公開の2年後、実際にロミーはこの世を去った。
ロミー・シュナイダー
ロミー・シュナイダー Romy Schneider
1938年、オーストリアのウィーンで名門俳優一家の元に生まれる。14歳で女優になることを決意、1955年の『プリンセス・シシー』の皇妃エリザベート役によってスターとなる。『恋ひとすじに』(58)で共演したアラン・ドロンと恋に落ち婚約するも、4年後に破局。ドイツの舞台演出家と結婚し一児をもうけ2年ほど映画界から離れていたが、その後『夕なぎ』(72)、『ルートヴィヒ』(72)、『追想』(75)と多くの傑作、話題作に出演。“世界最高峰の女優”として名を馳せる一方、スキャンダルやゴシップが生涯つきまとった。1982年、パリで逝去。
コメント
小川あん(俳優)

カメラがロミーに呼吸を合わせてるのか。
またはその逆か、それとも阿吽の呼吸か...

知的な骨格。揺れ動く髪の束。
力強い眉毛と三白眼の瞳。
絶えず移動するカメラを相手に、
「わたしを撮りなさい」とも言えるくらいどしっと構えている。

彼女なくして、映画女優の定義はあり得ない。
私は彼女ような女優、女性になりたいと、
作品を見返すたびに思う。

ロミー・シュナイダーの太陽と月の狭間にあるような輝きをいつまでも忘れない。

真魚八重子(映画評論家)

快活なプリンセス・シシーを経て女優として開眼したロミーは、まるで歌舞伎『桜姫東文章』のように妖しく爛れた役を好んだ。
娼婦やポルノ女優、金目当ての猟奇殺人鬼……。
しかし芝居で淪落し凄惨な憂き目に遭っても、その冷たく透明な青い瞳は、どんな映画でも最後まで気高さに輝いていた。

山崎まどか(コラムニスト)

ロミー・シュナイダーはあんなに晴れやかで、温かくて、まばゆい存在なのに、
彼女が体現する絶望や悲しみは見る者の骨身にみしみしと染みてくるかのように
リアルで、それが切ない。そしてどんなに打ちのめされていても、気品に溢れている。
唯一無二の存在だ。

劇場情報
公開日 地 域 劇場名
北海道
近日公開 札幌市 シアターキノ
関 東
10月18日 渋谷区 Bunkamuraル・シネマ 
11月16日 横浜市 シネマ・ジャック & ベティ
中部・北陸
近日公開 名古屋市 ナゴヤキネマ・ノイ
関 西
11月23日 大阪市 第七藝術劇場
11月22日 京都市 京都シネマ
11月30日 神戸市 cinema KOBE
九州・沖縄
近日公開 福岡市 KBCシネマ