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『没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭』 波瀾万丈の生涯を送った、ヨーロッパ映画最高の映画女優。その軌跡をたどる、初の本格的な特集上映。 8/5〜8/25 Bunkamura ル・シネマにて開催

没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭
 8月5日(金)〜8月25日(木) Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー
映画前売券
犯罪劇、成功と転落、官能と愛情…
様々な物語のなかで生きた世界最高の女優
ロミー・シュナイダーの軌跡
オーストリア、ウィーンの名門俳優一家の家に生まれたロミー・シュナイダー。6歳の時に両親が離婚し、不遇の幼少時代を過ごすも頭脳明晰で独立心旺盛だった彼女は14歳で俳優になることを決意。多くの傑作・話題作に出演し世界最高峰の女優として名を馳せたが、一方ではアラン・ドロンとの恋、破産、元夫と息子の死などスキャンダルやゴシップが付き纏う壮絶な人生を送り、『サン・スーシの女』(82)を遺作に43歳の若さでこの世を去った。しかし死後、マリリン・モンローやカトリーヌ・ドヌーヴを抑えて「今世紀最高の女優」(仏CSA調べ)に選ばれるなど、彼女の無比な佇まいと鮮烈な印象は色あせることなく艶やかに輝く。今回上映される、ロミーが美しい娼婦リリーを演じる犯罪劇『マックスとリリー』は日本劇場初公開。ロミーの艶やかな佇まいと、名優ミシェル・ピコリとの演技合戦が最大の魅力のひとつだ。また、かつての恋人アラン・ドロンと共演を果たした『太陽が知っている』、ふたりの男に愛される女性を演じた『夕なぎ』、戦時下を舞台にした切なく狂おしい名作『離愁』のほか、ジャン=ルイ・トランティニャンやジャン=クロード・ブリアリらフランスを代表する俳優たちが集う『華麗なる女銀行家』、ロミーの最期の出演作となった『サン・スーシの女』となかなか観る機会のない貴重な作品を含んだ6作品のラインナップ。映画に愛された感動的な<表情>をたたえ、その美しい眼差しを投げかけるロミー・シュナイダーと銀幕で再び出会えることを、ぜひ楽しみにお待ち頂きたい。
上映作品
La Piscine
『太陽が知っている 4Kデジタルリマスター版』 ©1969 SNC (Groupe M6)
『太陽が知っている 4Kデジタルリマスター版』
監督:ジャック・ドレー│脚本:ジャック・ドレー、ジャン゠クロード・カリエール│撮影:ジャン゠ジャック・タルべ│音楽:ミシェル・ルグラン
出演:アラン・ドロン、ロミー・シュナイダー、モーリス・ロネ、ジェーン・バーキン
1969年│フランス・イタリア│カラー│123分
バカンスを過ごしていたジャン゠ポール(アラン・ドロン)とマリアンヌ(ロミー・シュナイダー)だが、マリアンヌが招待したハリー(モーリス・ロネ)と娘ペネロープ(ジェーン・バーキン)がやってきてから雰囲気は一変する。ハリーはマリアンヌの元恋人で、ジャン゠ポールはハリーに劣等感を抱えていたのだ…。陽光降り注ぐサントロペの別荘を舞台に、4人の男女の思惑が官能的かつ不穏に交錯し合う心理サスペンス。かつて恋人同士だったドロンとロミーが後戻りのできない道を歩んでゆくカップルを熱演。
Max et les Ferrailleurs
『マックスとリリー』 ©1971 STUDIOCANAL
『マックスとリリー』※日本劇場初公開
監督:クロード・ソーテ│脚本:クロード・ソーテ、クロード・ネロン、ジャン゠ルー・ダバディ│原作:クロード・ネロン│撮影:ルネ・マテラン│音楽:フィリップ・サルド
出演:ミシェル・ピコリ、ロミー・シュナイダー、フランソワ・ペリエ、ベルナール・フレッソン
1971年│フランス・イタリア│カラー│111分
犯罪者逮捕に異様な執念を燃やしながらも、犯人を取り逃がした刑事マックス(ミシェル・ピコリ)。捜査中、兵役仲間だったアベル(ベルナール・フレッソン)が盗難車などを扱う屑鉄屋を営んでいることを知ったマックスは、アベルの情婦である娼婦リリー(ロミー・シュナイダー)に近づき、彼らが銀行強盗を謀るよう画策する。しかしリリーとの間に奇妙なロマンスが生まれ…。C・ドヌーヴらが候補に挙がっていたリリー役を、ロミー自らソーテ監督に直訴して勝ち取り、“お姫様女優”のイメージを見事に払拭した。
César et Rosalie
『夕なぎ』 ©DR
『夕なぎ』
監督:クロード・ソーテ│脚本:ジャン゠ルー・ダバディ、クロード・ソーテ、クロード・ネロン│撮影:ジャン・ボフティ│音楽:フィリップ・サルド
出演:ロミー・シュナイダー、イヴ・モンタン、サミー・フレイ、イザベル・ユペール
1972年│フランス・イタリア・西ドイツ│カラー│111分
幼い娘と共に解体業者のセザール(イヴ・モンタン)の元に転がり込んだロザリー(ロミー・シュナイダー)。エネルギッシュで明るいセザールとの生活は楽しいが、ある日、かつての恋人ダヴィッド(サミー・フレイ)と再会してしまう。全く異なるタイプのふたりの男に愛される女をロミーが演じた奇妙な三角関係のラブ・ストーリー。シアーなドレスにフェミニンなシャツ、トレンチコートといったイヴ・サンローランの衣装が、神秘的でいて自由なロミーの魅力をさらに際立たせている。盟友ソーテ監督の代表作。
Le Train
『離愁 4Kデジタルリマスター版』 ©1972 STUDIOCANAL
『離愁 4Kデジタルリマスター版』
監督:ピエール・グラニエ゠ドフェール│脚本:ピエール・グラニエ゠ドフェール、パスカル・ジャルダン│原作:ジョルジュ・シムノン│撮影:ワルター・ウォティッツ│音楽:フィリップ・サルド
出演:ジャン゠ルイ・トランティニャン、ロミー・シュナイダー、モーリス・ビロー、アンヌ・ヴィアゼムスキー
1973年│フランス・イタリア│カラー│101分
ドイツ軍の侵攻のため、住み慣れた村を棄て避難列車に乗り込むジュリアン(ジャン゠ルイ・トランティニャン)。妊娠中の妻と子供は客室に乗せ、自分は家畜車で過酷な旅を続けるジュリアンは、車内で謎めいた女アンナ(ロミー・シュナイダー)に出会う。言葉も交わさないふたりだが、次第に求め合うようになってゆき…。シンプルな黒い半袖のワンピースに引っ詰めた髪というシンプルないでたちながら、死の恐怖と許されない愛に悶えるロミーの美しさが特に際立つ一本。鮮烈なラストも忘れがたい。
La Banquière
『華麗なる女銀行家 4Kデジタルリマスター版』 ©1980 STUDIOCANAL-France 3 cinéma
『華麗なる女銀行家 4Kデジタルリマスター版』
監督:フランシス・ジロー│脚本:ジョルジュ・コンション、フランシス・ジロー│撮影:ベルナール・ジツェルマン│音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ロミー・シュナイダー、ジャン゠ルイ・トランティニャン、マリー゠フランス・ピジェ、ジャック・ファブリ、ジャン゠クロード・ブリアリ
1980年│フランス│カラー│130分
第一次大戦後の狂乱の世情を背景に、金融界のみならず政界をも激震させた銀行家マルト・アノーの生涯をベースとした歴史大作。貧しい帽子屋に生まれながらも、その美貌によって上流社会の名花となり金融界に進出、やがてフランス初の女銀行家となったエンマ(ロミー・シュナイダー)の数奇な人生を描く。抑圧的な男社会に阻まれ、何度も憂き目に遭いながらもその都度立ち上がる強い女を圧倒的な存在感で体現。先頃逝去したジャン=ルイ・トランティニャンの冷酷な悪役ぶりも光る。
La Passante du Sans-Souci
『サン・スーシの女』 ©1982 —TF1 INTERNATIONAL – FRANCE 2 CINEMA - CCCFILMKUNST
『サン・スーシの女』
監督:ジャック・ルーフィオ│脚本:ジャック・ルーフィオ、ジャック・キルスネル│原作:ジョゼフ・ケッセル│撮影:ジャン・パンゼール│音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ロミー・シュナイダー、ミシェル・ピコリ、ヘルムート・グリーム、ドミニク・ラブリエ、ウェンデリン・ウェルナー
1982年│フランス・西ドイツ│カラー│116分
父をナチスに殺された少年マックス(ウェンデリン・ウェルナー)を引き取ったソプラノ歌手エルザ(ロミー・シュナイダー)と夫のミシェル(ヘルムート・グリーム)。しかしミシェルが逮捕されたことをきっかけに、エルザは運命に翻弄されていく。ロミーの怪我や病気、そして最愛の息子ダヴィットを不慮の事故で亡くしたことも重なり何度も撮影延期となったものの、役への情熱を失わず見事に復活を遂げたロミーの遺作。実子と同年代のマックスを見つめるロミーの、悲痛ながらも美しい表情をカメラはとらえている。
L’Enfer d’Henri-Georges Clouzot
『地獄』 ©2009 Lobster Films / France 2 Cinema
幻の出演作に迫るドキュメンタリー
『地獄』※日本劇場初公開
監督:セルジュ・ブロンベルグ、ルクサンドラ・メドレア│音楽:ブルーノ・アレクシウ
出演:ロミー・シュナイダー、セルジュ・レジアニ、べレニス・ベジョ、ジャック・ガンブラン
2009年│フランス│カラー・モノクロ│94分
『情婦マノン』『恐怖の報酬』などの名匠アンリ゠ジョルジュ・クルーゾー監督によって1964年に製作が開始されるも、監督が病に倒れて未完となってしまった幻の映画『地獄』。その残されたフィルムと関係者の証言などで構成され、2009年のカンヌ映画祭で大反響を巻き起こしたドキュメンタリー。妻の浮気を疑う夫の妄想がめくるめく映像美で表現され、ロミーが一糸まとわぬ姿で線路に横たわるシーンなど断片的ではあるものの強烈なイメージが垣間見られる。独特なメイクを施し濃艶な表情を見せるロミーにただただ圧倒されるが、天真爛漫なオフショットも多く収録されている。
ロミー・シュナイダー Romy Schneider 1938年、オーストリアのウィーンで名門俳優一家の元に生まれる。本名ローゼマリー・マグダレーナ・アルバッハ。6歳のとき両親が離婚、不遇の幼少時代を過ごすが頭脳明晰で独立心旺盛だった彼女は14歳で女優になることを決意。1955年の西ドイツ映画『プリンセス・シシー』の后妃エリザベート役によって欧州中で愛されるスターとなる。その後『恋ひとすじに』(58)で共演したアラン・ドロンと19歳にして恋に落ち婚約。ルキノ・ヴィスコンティ演出の舞台やオムニバス『ボッカチオ‘70』(62)の一編「仕事中」、オーソン・ウェルズ監督の『審判』(62)、またゴールデングローブ賞主演女優賞候補となったオットー・プレミンジャー監督の『枢機卿』(63)など精力的に活動するも、4年後にドロンと破局。失意の中、66年にドイツの舞台演出家と結婚、一児をもうける。2年ほど育児のため映画界から離れていたが、69年にドロン共演の『太陽が知っている』がヒットを記録、見事なカムバックを遂げる。以降は再びエリザベートを演じた『ルートヴィヒ』(72)、イヴ・モンタンと共演した『夕なぎ』(72)、フランス全土で大反響を巻き起こした『追想』(75)と多くの傑作、話題作に出演、“世界最高峰の女優”として名を馳せる。一方で度重なる色恋沙汰、破産、さらには元夫や息子の死など常にスキャンダルやゴシップがつきまとい、遺作となった『サン・スーシの女』(82)撮影の頃には心身ともに激しく疲弊していたという。82年、パリで逝去。次作で共演が予定されていたドロンの手配で大々的に葬儀が行われたが、ドロン自身は騒動を避けるため参列しなかった。
女優にならなければいけない、と思ったの。それ以外、考えられなかった
光輝く微笑と青い瞳が、
彼女をお姫様スターにした。
ウィーンの名門俳優出身のアイドルは、アラン・ドロンに恋して、パリにやって来る。
無邪気な微笑に翳りが忍び込み、彼女は女優になる。
この微笑こそが、ロミー・シュナイダーを悲劇へと導く。
自分自身の人生と、演じる人生との間の距離が掴めず、
演じることに、自分を与えすぎてしまった。
恋人も、夫も失い、最愛の息子を死なせ、それでも、演じ続けた生涯だった。
秦 早穂子映画評論家
コメント
ロミー・シュナイダー。
「女優は流した涙の数で深さを増す」そんな言葉を地で行く様なロミーの人生。あの「シシ―」の時の笑顔煌めく青春スターが年齢を重ねる毎に成熟した良い女になっていった。
「離愁」や「サンスーシの女」で魅せた女優魂は一体、どこから来たのだろうか。恋に仕事に愛に、一途に生きたロミーの哀愁をおびたあの横顔…忘れられない…良い女には良い男が居る。優れた女優には優れた男優が居る。ミッシェル・ピッコリ、イヴ・モンタン、サミー・フレイ、ジャン・ルイ・トランテイニアン、モーリス・ロネ、そしてロミーの若き日の恋人だったアラン・ドロン達…
こういう女優になりたかった!
桜井浩子(女優・コーディネーター)
桜井浩子桜井浩子
どこへ行くのか分からない列車に乗り込むふたり。故郷から離れ、二人の運命はもう二度と戻れない場所へと向かう。恐怖と孤独と絶望に襲われるにつれ、固く結ばれていく。列車という閉鎖的な動く箱の中にいるときだけ、別の時間が流れ、別の世界を生きているようだ。究極な選択肢を迫られ、一つの答えを出した瞬間、運命を受け入れた彼らの最後の表情は必見だ。
美波(女優)
美波美波
美しい彼女は43歳位で星になった。俳優としての彼女は自由奔放という言葉から遠いように思える。強い意志とか、覚悟とか、心を決めているというようなことを感じる。けれど身体はとても自由にのびのびとしている。我儘とかいうよりも、ただ映画の制作現場にいるその時が、生きている全部の時間だったのではないか。満たされている彼女も、伽藍堂の彼女も、丸ごと投げ出しているように思えるから。そして、お姫様から娼婦までを演じながら、時を超え、見ている私のすぐ目の前で生きているように距離が近い。それがたくさんの人が彼女に魅了される理由なんだと思う。
映画の中で、歳を重ねていく彼女その人を見届けてほしい。実の人生は、彼女のものであって、私たち観客のものではない。そんなことはどうでも良いじゃないかって思う。
精一杯に役を生きる様に魅せられる、私はそれだけでいい。
渡辺真起子(俳優)
渡辺真起子渡辺真起子
中学生で初めて「ルードヴィヒ 神々の黄昏」を見て以来、特別な存在として私の中にある女優。 複雑な表情をたたえる瞳、あの顔、安易な形容詞を許さない唯一無二の佇まい。ロミー・シュナイダーに代わる存在はもう二度と現れないだろうと確信しています。この世にはそんな風に永遠に失われてしまう美もある。だからこそ、スクリーンに彼女が映る一瞬一瞬が限りなく貴いものに思えてくる。瞬きも惜しいほどに。
山崎まどか(コラムニスト)
山崎まどか山崎まどか
ロミー・シュナイダーはかっこいい。
男性を魅了するとか、自立しているとか、そういうくだらない理由を一切必要としない、本来女性という生き物が持っている根本的な威厳と美しさを、彼女はスクリーンから放出する。女王蜂のように。
霧島れいか(女優)
霧島れいか霧島れいか
スケジュール
トークイベント開催!
8月6日(土) 13:25『 夕なぎ』上映後─登壇者:秦早穂子さん(映画評論家)
8月11日(木・祝) 18:40『 華麗なる女銀行家』上映後─登壇者:芳野まいさん(フランス文学研究者)
8月13日(土) 15:40『 マックスとリリー』上映後─登壇者:坂本安美さん(アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム主任)
劇場情報
公開日 地 域 劇場名
北海道
上映終了 札幌市 シアターキノ
東 北
上映終了 仙台市 フォーラム仙台
上映終了 山形市 フォーラム山形
関 東
上映終了 渋谷区 Bunkamuraル・シネマ
上映終了 武蔵野市 アップリンク吉祥寺
上映終了 世田谷区 下高井戸シネマ
上映終了 豊島区 新文芸坐
上映終了 横浜市 シネマ・ジャック & ベティ
上映終了 川崎市 川崎市アートセンター
上映終了 高崎市 シネマテークたかさき
甲信越静
上映終了 上田市 上田映劇
上映終了 静岡市 静岡シネギャラリー
中部・北陸
上映終了 名古屋市 名古屋シネマテーク
上映終了 金沢市 シネモンド
関 西
上映終了 大阪市 テアトル梅田
上映終了 京都市 アップリンク京都
上映終了 神戸市 cinema KOBE
上映終了 宝塚市 シネピピア
中国・四国
上映終了 岡山市 シネマ・クレール丸の内
上映終了 広島市 横川シネマ
上映終了 松山市 シネマルナティック
九州・沖縄
上映終了 福岡市 KBCシネマ
上映終了 熊本市 Denkikan
上映終了 大分市 シネマ5
上映終了 鹿児島市 ガーデンズシネマ
上映終了 那覇市 桜坂劇場
映画前売券